Double Stops by Simon Fischer(サイモン・フィッシャー/ダブル ストップス)はヴァイオリンの音階教本として重音の練習に特化して作られた教本です。
その特長の第二は[差音]で
3度、6度、10度の重音で導かれる差音を示し
その差音が聞こえるように奏でることで音程が特定できるように
掲出されています。
そうした[運指]と[差音]の練習を踏まえたうえで
上の音程に合わせた重音の音程の微調整や
下の音程に合わせた重音の音程の微調整の練習課題も掲げています。
そのため
従来は単に“ハモる”という曖昧な概念によって導かれていた重音の音程を
具体的に“差音” を導くように音程を取らせている点で従来に無い内容で
24の調の総てにおいて、その目指すべき音程が誰においても再現性のある
練習ができるように編まれている点で画期的です。
けれども
“ハモる”ように音程を取る場合も、“差音”が導かれるように音程を取る場合も
いずれも響きを聴いて音程を微調整する点では従来通りのアプローチである
ともいえます。
加えて
『ヴァイオリンの重音の音程の取り方 ~その1~』にも書いたように
“差音”は単純な電子音の場合には生じ易く聞き取ることも簡単ですが
ヴァイオリンの音の場合は様々な倍音や余韻のなかで聞き取ることから
“差音”は聞き取り難いものとなります。
そうしたことから
“差音”を聴取し奏でることは目的ではなく手段であって
既述のように音程を微調整して重音の響きを調和させるのが目的となる
ということを踏まえて練習する必要があります。
ただし既述のように
誰においても再現性のある練習ができるように編まれている教本とはいえ
上記の書籍を購入してみても、ヴァイオリンの音程の取り方がわかっていなければ
その意味するところも、その指示する響きを実際に奏でることも困難であるうえに
上記の書籍で示された音程の取り方は最低限のルールでしかありません。
そこで
“ルール”としての基準を踏まえたうえでの音程の取り方を示しながら
“最低限”としての基準の先の更なる細かい音程の最終的な確定方法を
譜面に基づき一音いちおん説明・確認しながらレッスンしています。